【基礎】筋肉を大きくする④ー栄養を摂る その2
こんにちは。ダイエット太郎です。
昨日はちょっと一呼吸おいて、筋肉を成長させ続けることへの心配を書きましたが・・・
それでも、引き続き筋肉を大きくすることを書いていきます^^;
バランスを取って見ていってくださいね~(苦笑
この記事は引き続き、参考図書をもとに書いています。
専門的な内容も多いですが、一度読まれることをオススメします^^
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目次
前回までのまとめ
「筋トレ」によって筋肉を成長させるには、週単位での「総負荷量」の向上がカギになるという話を書きました。
そして、それとともに「mTOR」を活性化させるために、「アミノ酸」を摂取しましょうということも書きましたね^^
アミノ酸はたんぱく質を消化して、小腸から吸収する時の小さな分子です。
アミノ酸のうち「ロイシン、イソロイシン、バリン」は「mTOR」を活性化させて、筋繊維(筋細胞)の「合成」を高めてくれるということも書いてきました。
それでは、今日はたんぱく質をどれくらいの量を取るべきかということを書いていきたいと思っています。
1食分のたんぱく質摂取量
前回の記事で、たんぱく質の摂取量は年齢や体重、トレーニングの量によって変わると書きました。
それゆえに計算が必要になってきますし、それが一般の人には摂取量をとても難しくしています。
そういう数値を「係数」と言いますよね^^;
年齢や体重などの数値を入れると求める答えが出てくるというあれです。
でも、参考値というものもあります。
その点、庵野氏は参考図書の中で、研究を引き合いに出して、その参考値を書いています。
2009年、カナダ・トロント大学のムーアらは、体重の異なる20代の若者と70代の高齢者を集め、レッグエクステンションを行った後に0~40gのタンパク質を摂取させ、筋タンパク質の合成率を計測しました。その結果、筋タンパク質の合成率が最も高まる摂取量、すなわちタンパク質の最適な摂取量は、「年齢」と「体重」によって違いが生じることがわかりました。
・・・中略
◎20代の若者は、体重1kg当たり
平均0.24g(0.18~0.30g)
◎高齢者は、体重1kg当たり
平均0.40g(0.21~0.59g)
庵野拓将著:科学的に正しい筋トレ,pp217より引用
上の値も幅があって、「係数」ではあるんですが、平均値を出して参考になる数値を書いてくれています。
これをもとに33歳、体重65kgのボクの場合で計算してみると20代の若者の数値を使わせてもらって
1食のたんぱく質摂取量は
0.24×体重65kg=15.6g
になることがわかります^^
この研究内容を眺めていると筋肉を増やすために、70代の年長者の方がたんぱく質が多く必要になっています。
これは年を取ると「新陳代謝」の能力が低下してしまうため、筋たんぱくの合成のためにはより多くのたんぱく質を必要とすることを意味します。
なので、この参考値を使う時には、自分の年齢の近い方で計算して、年齢を加味してたんぱく質の量を増減させる必要があります。
ボクの場合も、20代よりも筋たんぱくの合成能力が低下していることを考えると、目安の15.6gに5gほどプラスするのが妥当かもしれません。
今日は参考値の紹介に留めさせてもらいますが、「係数」の表など他にも良いものがあればブログで発信させてもらえればと思います。
24時間のたんぱく質摂取量
たんぱく質の1食分の摂取量の目安はわかったと思いますが、24時間ではどうでしょうか?
庵野氏は24時間でのたんぱく質摂取量についても以下のように触れています。
参考になるのが、2017年に報告された筋トレとプロテインに関するメタアナリシスです。マクマスター大学のモートンらは、筋トレとタンパク質摂取の長期的な効果について、49の研究報告(対象者1863名)をもとにした最大規模のメタアナリシスを行っています。その結果、筋トレの効果を高める24時間の最適なタンパク質摂取量の係数が導き出されています。
それは「24時間で体重1kg当たりの平均値1.62g(最小値1.03~最大値2.20g)」というもの。
庵野拓将著:科学的に正しい筋トレ,pp216より引用
もう一度体重65kgのボクの場合で計算してみましょう。
今回は平均値を使って、
たんぱく質1.62g×体重65kg=105.3g
ボクの場合は1日のたんぱく質摂取量目安が105.3g
となりました。
先ほどの1食の摂取量が15.6g+5g(20.6g)ということを合わせて考えてみましょう。
ボクが筋肉を大きくする場合、まず1食20.6gを3食食べる必要がありますね^^
でも、それでは61.8gにしかなりません。
24時間のたんぱく質摂取量から考えると1日の内に、もう40gほど必要になってくるということですね。
一般的なプロテインが1杯30gのたんぱく質ですから、どこかで1杯のプロテインを補充できれば、何とかなりそうです^^
とまあ、ボクの場合ですが、こんな感じでたんぱく質の摂取量を考えることが出来ます。
皆さんも少し、参考値を軸に自分がどれくらいたんぱく質を摂るか考えてみるようにしましょう。
そこでちょっとした小話を入れさせてください^^;
ちょっとしたお話ー肉食動物の場合
ちょっと脱線して、肉食動物の話を書きたいと思います。
なぜかと言えば、たんぱく質を摂る量に関係するからです^^
皆さんはたんぱく質と炭水化物って全くの別の栄養だということを知っていますね。
炭水化物といえば、お米や穀類、お芋などの主食ですよね。
これら「糖分」と「食物繊維」を含んだ炭水化物はヒトにとっては必要不可欠です。
一つは「糖分」からエネルギーのもとになる「グルコース」を得るため。
もう一つは腸内環境を整え、消化吸収の調節をし、便の排泄をスムーズにする「食物繊維」の働きを得るためです。
ですが、肉食動物はこれらの「炭水化物」を食べることはありません。
他の動物の「生肉」しか食べないんです。
多少草(セルロース:食物繊維)は食べますが・・・
つまり、口からはほぼたんぱく質しか口から得ることをしません。
「じゃあ、肉食動物のエネルギーは「アミノ酸」なの?」
と思われる方もいるかもしれませんが、肉食動物もちゃんと「グルコース」をエネルギーにしています。
じゃあどうやって・・・
ここが今日の話と関係するところです。
実は動物のカラダは体内で「糖分」である「グルコース」を作ることができるんです。
細かい生化学の計算式は書きませんが、糖を作ることから「糖新生」と言います。
そして、筋肉を大きくしたい人はこれを過度に心配します。
どういうことでしょうか?
それはつまりこういうことです。
カラダの「グルコース(糖分)」が不足すると、筋肉中の「筋たんぱく」を分解してアミノ酸にしてしまいます。
アミノ酸は糖新生を経てエネルギーとなる「グルコース」になり、エネルギーとして使われてしまうので筋肉が小さくなってしまう・・・
それを筋肉を付けたい人は恐れるので、とにかく「糖分」と「たんぱく質」を取ろうとしてしまします。
こういったことは、ダイエットや筋トレに関心がある人はよく知っているかもしれませんね^^;
でも、ボクはそんなに心配する必要は無いと思っています。
なぜなら、この「糖新生」という「グルコース」を作る経路は、「アミノ酸」から作る経路以外に3つもあるということです。
なので、エネルギー不足=筋肉の分解(糖新生)によるエネルギーの産生というのは考える必要はありません^^
なぜ肉食動物の話をしたのかと言えば、肉食動物がヒントになるからです。
肉食動物は捕食つまり、狩りをする必要がありますよね。
もし、捕まえることが出来なければ、栄養不良になって細くなっていくことでしょう。
でも、そんなときに全力で走るための筋肉を優先的に分解するでしょうか?
まず、分解するのは狩りに必要のない脂肪(中性脂肪を分解した時にできるグリセロールも糖新生の材料)を分解するでしょう。
そして、カラダを動かせば出てくる「乳酸」もまた糖新生に使われます。
動物のカラダから考えれば、筋肉を「分解」してエネルギーにしてしまう優先度は低いと言えるでしょう。
昨日書いたように、筋肉の分解を恐れて、たんぱく質と炭水化物を過剰摂取すれば、「mTOR」を活性化できますが、現代病になりやすくなります。
何事もバランスが大事です!
少し栄養が足りないくらいなら、カラダは不必要な部分からエネルギーを作ることも出来ます。
なので、しっかりと栄養を摂ることも大事ですが、計算より少なくなってしまうことを恐れるよりも、計算よりも摂り過ぎることを恐れるようにしましょう。
今日のまとめ
いつも長くなってしまってすいません^^;
特に今日はたんぱく質の量ということで、参考値を書かせてもらいました。
今日の内容をまとめると
・1食のたんぱく質の摂取量目安
〇20代の方は体重1kg当たり平均0.24g
〇70代の方は体重1kg当たり平均0.40g
・24時間のたんぱく質の摂取量目安
体重1kg当たり平均値1.62g
・過剰な栄養の摂取はカラダの成長にはいいが、健康を害することもある。
上の参考値を軸に、自分のたんぱく質の量を計算してみてくださいね。
明日はどのタイミングで栄養を摂るべきかについて書いていこうと思っています。
雨が強く、コロナもまた流行っている状況なので、くれぐれも身体には気を付けてお過ごしください^^
それでは、また明日!