ダイエット太郎の秘密のボディメイク術

自分のカラダを好きになりたい人のためのダイエットブログ

【基礎】筋肉を大きくするー筋肉への負荷量を考える

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こんにちは。ダイエット太郎です。

暑い日が続きますね^^;

そんな中で、「筋トレ」という少し暑苦しい内容を取り扱うのも変な話かな・・・

でも、ここは自分のカラダに対する「情熱」で乗り越えましょう!

さらに暑苦しいですが^^

 

さて、昨日は「筋トレ」によって、なぜ筋肉が太くなるかについて書きました。

今日は昨日のおさらいをした後に、筋肉を太くするための「負荷量」に注目していきたいと思います。

先日も紹介しましたが、参考にしている本の概要を貼っておきます!

庵野拓将著/科学的に正しい筋トレ~最強の教科書~

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それでは、よろしくお願いします。

 

目次

 

 

 

昨日までの内容

昨日の内容を少しおさらいしていきましょう。

「筋トレ」という刺激がなぜ筋肉を太くするのでしょうか?

それは「筋トレ」によって筋繊維(筋細胞)の中にある「mTOR」という細胞に存在するたんぱく質(の複合体)が活性化するからでした。

この「mTOR」というたんぱく質(の複合体)は体中の細胞に存在するのですが、活性化するとたんぱく質の「合成」を促します。

筋肉では「筋トレ」によって「mTOR」が活性化し、たんぱく質の「合成」が「分解」を上回るので、筋肉が太くなるという話でしたね。

 

以前は筋肉が傷つくのをカラダが修復する時に筋肉がより太く治るからだと考えられてきたので、筋肉が傷む(筋肉痛になる)まで運動しないといけないと考えられてきました。

でも、先ほどの「mTOR」のことを考えると、筋肥大のために大事なことは「筋繊維が傷つく」ことではなく、「筋繊維が合成に傾くこと」いうことがわかると思います。

それで、今日はどのような負荷量が正しいのか書いていこうと思います。

 

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負荷の基盤となる話

実は、筋肥大を狙う中で昨日取り上げた筋繊維(筋細胞)の中の「mTOR」を活性化させることと従来の考えかたである「筋肉が少し傷つく程度の筋トレ」にはある共通点があります。

それはどちらも筋繊維(筋細胞)を「たくさん」刺激するということです。

「たくさん」というのは曖昧な言い方なので、言い直すと筋「繊維」を何本も働かせるということです。

例えば、腕の「力こぶ」である上腕二頭筋には約21万本の筋繊維(筋細胞)があると言われています。

そして、もし腕の筋肉を太くしたいならこの約21万本すべてに刺激を入れて、21万本すべてが太くなるのが一番いいですよね^^

 

でも、ここで一つの問題が発生します。

ヒトの筋肉の強弱の調節の仕方というのは、この本数を何本働かせるかで調節しているということです。

 

さきほどの腕の力こぶ上腕二頭筋で考えてみましょう。

例えば、この力こぶである上腕二頭筋は「肘を曲げる」という動作を行う時に力を発揮します。

もし、あなたがコップのような軽い物を持とうと肘を曲げるとしますよね。

このとき、コップは軽いので肘を力いっぱい曲げる必要はないので、かなり力を加減することになると思います。

この時の力の調節の仕方は約21万本の筋繊維すべてを”弱く”収縮して調節してはいないんですね。

21万本の内、半分の10万本、コップのような軽いものであれば、さらに半分の5万本という風に少ない本数の筋繊維を動員することで力の出し方を調節しているんですね。

つまり、他の10万本もしくは15万本は使わないということです。

 

この点で1965年にヘンネマンさんという研究者がある考えを提案しています。

この考えでは、出さないといけない力の大きさ(強度)と神経の働きに注目しています。

ご存じのように筋肉が働くとき、ほとんどの場合は神経が働いて筋肉に働くよう指示を出しています。

その指示を出す神経は、筋繊維を数十本ほど働かせる「小さい」神経(小さい運動単位)数百本から数千本を働かせる「大きい」神経(大きい運動単位)に分けられているんですが、たくさんの筋繊維を働かせる「大きい」神経が働いてくれた方が大きい力を出せるわけです。

ヘンネマンは弱い力を発揮する場面では、この「小さい」神経(小さい運動単位)が優先的に働き「大きい」神経(大きい運動単位)は弱い力を発揮する場面では働からないと言っているんです。

強い力を出さないといけない場面で、ようやく、数百本から数千本という筋繊維を働かせる「大きい」神経も動員されるという考え方を提案したんですね。

英語で「Henneman Size Principle」という「ヘンネマンの大きさの法則」とか「サイズの原理」とか言われる考えです。

 

話を戻しましょう。

つまり、この1965年にヘンネマンが提案した「サイズの原理」を用いて考えると、筋肥大のためにすべての筋繊維を働かせるには大きな力を必要とする「高強度」の筋トレが必要と思われていたわけです。

そして、その回数は「筋繊維」が少し傷つくほどの必要があると・・・

そんなわけで、一昔前までは「自分が1回上げられるぎりぎりの重さ」の70%以上の重さで10回とかの負荷量で筋トレしていたわけです。

「自分が1回上げられるぎりぎりの重さ」というのは「1RM」という運動の単位として知られています。

その70%以上というかなり高強度のトレーニングでなければ、筋は太くならないと考えられてきたんですね。

でも、それってかなりの重さで大変ですし、痛みやケガもしやすいですよね。

初心者の方には相当なハードルの高さがあります。

でも、最近はその考えが変わってきました。

つまり、そんなに高強度トレーニングでなくても筋肥大はできるよという考え方が出てきたんですね。

 

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「総負荷量」への期待

高強度(高重量)ではない、低強度(低重量)でも筋肉を太くするにはどうすればいいでしょうか?

ここで大事になる考え方は「総負荷量を増やせば筋肥大が期待できる」というものです。

 

総負荷量とは

「トレーニングの強度(重量)×回数×セット数」

で表されます。

 

先ほど言ったように一昔前まではこのトレーニングの強度(重量)が高強度でなければ、筋繊維の動員数が少ないので、意味がないとされてきたわけです。

ですが、最近は低強度でも回数とセット数を増やすことで、総負荷量が増加して筋肉が肥大できるよと言われているんです。

この点、参考図書の中で庵野は最近の研究を引用してこのように言っています。

 

 

1RMの90%の高強度でレッグエクステンションを行うグループ、同30%の低強度で行うグループに分け、それぞれ疲労困憊になるまで行わせました。その結果、高強度グループのトレーニング回数は5回ほどで終わった一方、低強度グループの回数は24回となり、総負荷量は高強度の710kgに対して、低強度は1073kgとなりました。気になる筋たんぱく質の合成率では、総負荷量の大きな低強度グループがより高い増加を示したのです。

この報告により、低強度トレーニングにおいても、回数を多くし、総負荷量を高めることで、高強度と同等の筋肥大の効果が得られることが示唆されたのです。

 

庵野拓将著:科学的に正しい筋トレ,pp46-47より引用

 

 

先ほども言ったように「1RM」とは「自分が1回上げられるぎりぎりの重さ」のことを言います。

「総負荷量」が多ければ、1RM90%という高強度トレーニングよりも、30%程度の低強度トレーニングの方が筋肥大するという今までの常識から考えるとビックリな研究結果でした。

 

「ヘンネマンの大きさの法則」の否定?

先ほどの研究は「ヘンネマンの大きさの法則」との矛盾を示しています。

最初にも書きましたが、筋肥大を期待するには、多くの筋繊維(筋細胞)を働かせて、数多くの筋繊維で「mTOR」を活性化させる必要があります。

研究では低強度でも「総負荷量」が増えて筋肥大していましたことを考えると、強度に関わらず「総負荷量」を増やせば、働く筋繊維も増えるということです。

「ヘンネマンの大きさの法則」では、弱い力を発揮させる場面では「小さい」神経しか働かず、たくさんの筋繊維を働かせることはできないと言っているヘンネマンとは矛盾してしまうんですね。

その点、庵野は参考図書で他の研究から言及しています。

 

 

ウェスタッドら(2003)は、僧帽筋(上肩部の筋肉)に低強度の負荷を持続的に与えて筋疲労を生じさせると、小さな運動単位のみならず、次第に大きな運動単位も動員されていく「運動単位のサイクル」が生じることを報告しました。つまり、低強度でも、運動回数を増やして疲労困憊まで行うと、小さな運動単位の働きを助けるように大きな運動単位が動員されることが示唆されたのです。

 

庵野拓将著:科学的に正しい筋トレ,pp49より引用

 

 

大事なことは低強度でも、回数を重ねて疲れが溜まってくると数十本という筋繊維を働かせる「小さい」神経だけではなく、数百本から数千本という筋繊維を働かせる「大きい」神経も動員してくれるというわけです。

多くの筋繊維(筋細胞)が働いて、「mTOR」が活性化すれば、一つ一つの筋繊維が太くなって、筋肥大が期待できますよね!

何より、強度が低い運動は疲労はしますが、筋繊維が切れるほどの運動ではないので、重くなくても良いというだけで「筋トレ」に対するハードルが少し下がります。

 

でも、一つだけ付け加えさせてください。

それは「ヘンネマンの大きさの法則」が完全に否定されて、「高強度トレーニング」がダメというわけではないということです。

今まで言われてきた筋肉を太くしたいなら「高強度トレーニングをしなければいけない」というのではなく、筋肉を太くしたいなら「高強度トレーニング、低強度トレーニング問わず、総負荷量を上げるように回数とセット数を調節すること」に変わったということです。

「高強度」でも「低強度」でも回数やセット数を高めることで「総負荷量」を増やし、多くの筋繊維を働かせることが出来ることがわかっているので、選択肢が広がったという見方をするべきでしょう。

「ヘンネマンの大きさの法則」に関しても、今までの意見では不十分であったとはいえるかもしれませんね。

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今日のまとめ

今日は筋肥大のために正しい負荷量についてみてきました。

  • 筋肥大のためにはたくさんの筋繊維を働かせる必要がある。
  • たくさんの筋繊維を働かせるには高強度でのトレーニングが必要と言われてきた
  • 「総負荷量」を上げることで、強度が低くても筋肥大が期待出来る

 

今回、まとめていて思ったのは、知識というのはどんどん新しくなっていくなということです。

ボクが学生時代にはこの「サイズの原理」って、授業でも実際やっていましたし、テストにも出てきました。

でも、それが不十分だったと思うと凄いことだなと思います。

 

にしても、基礎ばかり書いていて皆さんがツマラナイなーと思わないかが心配です。

それでも、明日以降も筋トレについて書いていくんですが^^;

明日は筋トレの頻度について書いていこうと思っています。

それでは、また明日!